公開講座「ワークショップデザイン入門-創造的な学びの場作りの手法を身につける」に参加してきました。

東大福武ホールで行われた、標題の勉強会に参加してきました。

イベントの詳細はこちら

安斎勇樹 ブログ » 公開講座:ワークショップデザイン入門-創造的な学びの場作りの手法を身につける(9月5日)参加者募集

当日のスケジュールは下記の通りです。

【スケジュール】
13:00-13:30 導入・自己紹介(ミニワークショップ①)
13:30-14:15 ワークショップの実践的系譜と理論背景
14:30-15:30 ワークショップの体験(ミニワークショップ②)
15:45–17:00 コンセプトのデザイン方法とパターン
17:00-17:30 ディスカッション

上記について、主に行ったワークの感想を基に記録を書こうと思います。

ミニワークショップ①

まずLEGOに慣れるため+導入ということで、各班で「どの班が一番LEGOを高く積めるか」を競いました。最初は2分、その後作戦を立て、再度高く積む競争。
自然と会話が生まれて、リラックスした雰囲気になりました。
その後、レゴを使って、「自分の仕事が、誰に、どんな価値をどんな風に伝えているか」を表現するワークを行いました。これが結構難しかったです。「あなたはどんな仕事をしていますか?」だと、割と簡単に答えられる気がするのですが、
「価値」と言われると、うーんと考えこんでしまいました。

ミニワークショップ②「進撃の小人」

ワークの2つ目は、「身近に隠れている小人を探せ!」というものでした、導入として、コカコーラのCM(リンク貼る)を皆で鑑賞したあと、実際に会場の外に出て小人を探しに行きました。
ワークを通して思ったのは、中々自分の固定観念を壊すのが難しいということです。「ここに小人がいるだろう」というよりは「暗くてじめじめしているし、小人がいてもおかしくないな」という観点で探してしまいました。もっと頭を柔軟にしたいなぁと思いました。

コンセプトのデザイン方法とパターン

ここが一番頭を使ったところでした‥
どんな活動に取り組んだら楽しいか(活動目標)と、体験して欲しい視点・壊すべき思い込み(学習目標)を穴埋め形式で考えるというもの。
ここで言われたのは、例えば「広告を作るワークショップ」だから広告について考えて欲しいということではなく、その中で何を感じて欲しいか、学んで欲しいかは違うということでした。
安斎さん自身、ワークショップを考える際に「これを使ったら楽しそう!」と先に活動目標が浮かぶこともあるし、「こんなことを学んで欲しい!」と先に学習目標が浮かぶことがあるとのこと。
最後に質疑の中で、どうしたらワークショップデザインのアイデアが思いつくのかという話がありましたが、とにかく企画を作ること、また活動案のストック(低予算深夜番組、東急ハンズ現代アートの美術館等)を持っておくことが重要とのこと。また、とにかく企画を作ってそれをやってみることが大事だとのことでした。
その中で、ちょっとひねってワークショップ的に考える思考を持つことが大事だとの話でした。

参考
安斎勇樹 ブログ » 学習と活動をひねって結ぶ

ワークショップに失敗はあるのか

最後に質疑応答で、「ワークショップに失敗はあるのか」という質問がありました。
ワークショップはある種実験の場のようなものなので、失敗はない。ただ、うまくいかないのには理由があるので、以下を参考にしてほしいとのことでした。
安斎勇樹 ブログ » うまくいかないワークショップの特徴


ワークショップは、足場を揺さぶるという物が多いので、それ単体での効果は見られなくても、ワークショップを通して何らかの学びがあり、かつ何回もやるとより効果的だとのこと。
ワークショップを行っていて学習目標とずれているように感じた時は、課題を再設定しする、また参加者が課題がやりにくそうだと感じる場合は、いっそ「なんでやりにくいと感じるのか」ということが有効との話でした。
特にまちづくりや企業向けワークショップの場合、仮説と実際が合わないこともあるため、失敗を議論にすることも有効だとのことです。

参考
安斎勇樹 ブログ » ワークショップで絶対に失敗しないファシリテーションの方法

全体を通して

今回の研究会では、いくつか班で意見をまとめるところがあったのですが、今回あえてファシリテートするつもりで仕切ってみました。
ワークショップをする度にいつも思うのが「全く発言しない人」「自分の意見を絶対通したい人」がいること。今回自分の班にはどちらもいました。。。
意見を出さない人にどう振っていいか分からず、またグイグイくる相手をどう他の人の意見をについて考えてもらうかが難しく感じました。

最後に、今回自分の中で腑に落ちたのは「ワークショップが趣味でいいんだ!」ということです。私は学生時代からなんとなくワークショップ面白いな、可能性があるなと思って、できるだけそういった場に足を運ぶようにしているのですが、時々実践しないのにワークショップに参加するばかりで良いのだろうか、と思っていました。
ですが、「好きだから、趣味だから興味を持って参加する」というスタイルも良いのかなと思いました。

とても勉強になりました。ありがとうございました。